両足大腿切断者の身長と体重
- Shinji Ishikawa
- 2021年5月10日
- 読了時間: 3分
更新日:2021年7月26日
両大腿切断者あるある?身長と体重にまつわる話です。
健康診断や病院での診察のとき、問診票を記入しますよね。
片足が残っていれば、そのまま測定した体重を記載しても大きな違和感はないかもしれません。ですが、両足がないとなると、極端に身長が低い・体重が軽い表記になります。
足があった頃の身長は174cm、体重は56㎏
両足がない今の身長は114cm、体重は36.5㎏
問診票に現在の身長・体重を記載すると、医療関係者は複雑な反応を示します。「元の身長と体重を教えてくれる?」と、困惑されることが多いです。何故切断前の身長体重を聞くのか尋ねたところ、採血や薬の量を決めるために必要とのことでした。
ちなみに、両足がない今の身長は、切断当初の16歳の時にベッドに横になってメジャーを当てて測定されました。
身長・体重にまつわるエピソードはいくつかあります。
切断当初のDrの言葉が印象的で、「本来血液は足先まで通っているが、切断して太ももまでしか通っていないから、血圧の急変動が起こるかもしれない。ジェットコースターなどに乗ると失神するから乗っちゃダメだよ。」と言われました。
他にも、「血液が少なくなった分、血中コレストロールが溜まりやすくなって心臓に負担がかかる。なるべく太らないようにね。」とも言われました。
両大腿切断になると、車いすに乗っている時間が長く、活動量・エネルギー消費量が減ってしまいます。人一倍運動や食事に気を付けて太らないようにする必要があります。そのためにも義足歩行は良い運動といえるでしょう。
僕の場合は、痩せ体質というだけでなく両足極短断端という特性上、太ることができません。これについては別の記事で語ります。
あとは、身長制限・体重制限があるものは基本実施できません。
先ほどあげたジェットコースターは、身長制限に引っかかってしまいます。たとえば富士急ハイランドの乗り物は120~130cm以上が乗車制限となっているので、まず乗れません。
献血は体重が45㎏以上と定められているので出来ません。
他にも、両足がない&体重が軽いことで困ることを挙げてみました。
・映画館の椅子に座っていられない→映画館はホールイスという跳ね上げ式の椅子が採用されていることが多いです。座面が跳ね返ってしまいとても怖い思いをします。(義足を履いたら解決しそうですね。)
・流れるプールでは自分が流される
・重いものを引けない→荷物、扉など重いものを移動させようとしたときに踏ん張れず、倒れてしまう。
・車椅子がつっかえたときすっ飛んでいく→車椅子の前方部分(フットサポート)が石や段差につっかえたときに踏ん張れず、車椅子から滑落します。10回以上はやってます^^;
・背もたれのない椅子に座るのが怖い→丸椅子(特にキャスター付き)は後ろに倒れてしまう。
・座っているときに押されると倒れる
おまけになりますが、切断していない本来の体重、いわゆる実体重というものを知り興味本位で算出してみました。
下肢切断者の場合、欠損している肢分を補正していきます。これを体重補正といい、僕の場合は大腿部付け根から欠損しているので、左足はおおよその重量18.5%と、右足は16%を体重補正値としました。(※興味がある方は調べてみてください。)
実体重(㎏)=体重(㎏)+(1+体重補正(%)÷100)の計算式に当てはめると、
36+(1+18.5+16÷100)=55.66
僕の実体重は約56㎏になりました。16歳の当時の体重が56㎏くらいだったので、実体重が同じになったのは驚きです。
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