【レビュー】ottobock C-LEG compact

シリーズ物として、今まで僕が実際に試着してみた数々のコンピュータ制御膝継手の印象を、忖度なしにレビューしていきます。

3本目は、オットーボック社の「C-LEG compact」（シーレッグ コンパクト）についてです。

1本目→ÖSSUR RHEO KNEE3

2本目→ottobock C-Leg3

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【はじめに】

義足界では有名なC-Leg。世界中で75,000人以上（2020年時点）に使用されており、コンピュータ制御式の膝継手の中で代表的な存在です。

C-Legは、1997年に世界ではじめて歩行のすべてをコンピュータで制御する膝継手として販売されました。それから数回のモデルチェンジを経て、2021年現在では4代目にあたるC-Leg4が最新モデルです。

今回レビューするのは、2代目のC-Leg2と同時期にラインナップされていたC-LEG compactです。

今回のC-LEG compactもそうなんですが、既存の膝継手は全て健側がある片足切断者向けに設計されています。片足大腿義足ユーザーの多くは、コンピュータ制御膝継手でなくても歩けてしまいます。それは健側が義足側を先行し補えるからです。

ですから、たとえ片足大腿義足ユーザーの間で評価の高い膝継手でも、健側がない両大腿義足ユーザーでは歩けなかったり扱いづらかったりと印象が異なります。健側が無いと歩行は膝継手の性能そのものに左右されます。

僕のような短断端で両大腿切断者の場合は、その膝継手の持つ特徴や性能がはっきりと分かります。

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【レビュー】

それではC-LEG compactについての評価です。

先に結論から言うと、新品保証付で買えるなら今でも欲しい膝継手です。C-LEG compactは余計な機能は付いておらず、軽量でシンプルなモデルです。

両大腿切断で短断端の場合、義足で歩くには膝継手の選定が重要です。

まず軽量であること。そして膝折れしにくい性能が求められます。

このC-LEG compactは、まさにそんな条件にマッチしています。膝折れしにくい反面、スイング時にブラブラと軽く曲がります。

この「軽く曲がる」特性がとても大事で、歩行時に体重を爪先まで乗せて抜いたあと、曲がった膝がほぼイメージ通りに後ろから付いてくる（伸びてくる）感じがとても心地良いです。試しに両足に装着して歩道や様々な道を歩いてみましたが、現存するコンピュータ制御膝継手において、両足短断端の条件では恐らくベストマッチかもしれません。しばらく使用していましたが、歴代C-Legの中で1番気に入りました。

ただひとつ残念なのは、すでに廃版なので新品にて購入できないところです。

シンプルなデザインで無駄のない機能は、飽きずに長く使えるし魅力的なものです。それは義足に限らず、全ての工業製品に言えることだと思います。

最後に、この膝継手を自動車に例えてレビューを締めたいと思います。

C-LEG compactは、ポルシェ・ボクスター（Type987）なり。