【対談】PT菅原健人さん
- Kyo
- 2021年1月31日
- 読了時間: 4分
更新日:2021年7月26日
義足や障害をテーマにした対談シリーズです!
第一回目となる今回は、菅原健人さんとの対談です。
菅原健人さん( instagram:@keeent13 )
都内の総合病院で理学療法士として働いています。
もともと義足リハビリの関係で知り合いだったふたり。
義足のことをじっくり話すのは初めてです。
石川信二(以下;石川) : 健人くん、よろしくお願いします!いきなりですが、どうして理学療法士になったんですか?
菅原健人(以下;菅原) : もともとのきっかけはスポーツトレーナーです。中学生くらいで学校の職業体験とかを通じて、スポーツトレーナーを目指していました。そのあと、看護師である母親から理学療法士(以下;PT)をすすめられて…そこからずっとPTになりたいと思っていました。あとはサラリーマンになりたくなかったっていうのもあって(笑)
石川 : 僕サラリーマンなんだけど!(笑)まぁそれは置いといて。
そこから、どうして義足に興味をもったんですか?
菅原 : これはきっかけなんですけど、自分の通っていた専門学校の一番最初の実習先が、たまたま義足の専門施設だったんです。実習に行くまでは義足や切断者に対してネガティブなイメージだったんですが、そこの施設は明るくてポジティブだったんですね。
あとは、自分が理学療法の勉強をしていて迷走している時期があったんですよ。理学療法の何が患者さんを良くするんだろう?とか考えてて。でもそこの施設で実習したときに、「あ、義足の分野っておもしろいな。未来がある分野だな。」って感じたんです。
石川 : 偶然だったんですね。ちなみに、切断者に対してネガティブなイメージを持っているって言っていたけど、具体的にはどういう?
菅原 : 正直切断者のことを考えることがなくて、自分の近くにもいないし、メディアにも出てないし…。足がなかったら、自分だったらネガティブになっているんだろうなぁくらいで…切断者が義足で歩けているかも分からなかったんです。でも、そこの施設にいったらみんな元気に歩いてて。病院のような暗い雰囲気もなかったんですね。その雰囲気も相まって、義足に興味をもったんだと思います。
石川 : なるほどね。病院の話になりますが、どうして病院や施設によって義足の知識にばらつきがあると思いますか?
菅原 : 認定理学療法士っていうものがあるんですが、これはPT協会がやっている講習会とかで認定を受ければ、その専門の認定士を名乗れるという仕組みです。その1つに義足の認定士もあるんです。協会全体の会員数は12万人近くいて、そのうち義足の認定士は11人くらいしかいないんです。そもそものPT自体に、義足リハビリの知識がないのかなと感じています。
あとは、切断者に触れる機会が少ないからっていうのもあります。うちの病院は全国でも切断者は多いほうなんですが、それでも院内の整形外科患者の内訳で切断者は1%満たないです。特殊なリハビリといえますね。年間一人いるかいないか位の病院はたくさんあるので…。
石川 : 少ないなぁ。それは触れる機会もないですよね。ちなみに、興味のある切断高位?部位?ってありますか?
菅原 : これは…う~ん。難しい。うーーーん。股関節離断、股義足のひとですかね。
石川 : それはどうして??
菅原 : POやPTの工夫がないと、股義足は難しいと思います。パーツや体の使い方もそうですし、歩けるかどうかが白黒はっきり分かり易いからですかね。
石川 : 健側がある場合だと股義足は究極なんですかね。やっぱり義足リハビリにおいてPTは大事ですか?股義足に限らず。
菅原 : もちろんそう思いますよ。POでも義足に触れる機会が少ない、作り方を知らない人もザラにいると思います。歩行を知っているPOも限られてくるので、やはりPTの役割は重要ですね。訓練しながらマネジメントして、PT次第でその人のゴールが変わると感じますね。
石川 : リハビリを受けてきた身としてはすごくよく分かる。そう思います。
すごく究極な質問なんですが、健人くんは自分が両足大腿切断になったら、歩きたいと思う?
菅原 : 僕は歩く以外の選択肢がないです。それは僕自身がリハビリを提供していて、自分が知る限りの両側の人たちがみんな歩いているので。「歩きたいかというより歩くしかないでしょ」っていうのが最初の答えです。
石川 : (笑)それ、健人くん義足に毒されてるよ!(笑)
もしも、両足を切断するか、脊髄損傷をするかって言われたら健人くんはどちらを選ぶ?
菅原 : 両足切断ですね。脊損は、足があるのに車いすを使わなければいけないと…。
だったら足を切って歩いて生活したいです。日本は車いすに優しくないイメージですし…。
石川 : 君は義足バカ認定!(笑)君なら切断者になっても、きっと義足で歩けるよ。
もちろんそのときは股関節から切断だよね?
菅原 : いやいや(笑)
真面目な話であっても明るい雰囲気で、和気あいあいとした対談となりました。
菅原健人さん、ありがとうございました!今後のご活躍を期待しています。
また是非対談しましょう。

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