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義足の業界事情に思うこと①

  • 執筆者の写真: Kyo
    Kyo
  • 2021年1月6日
  • 読了時間: 3分

更新日:2021年7月27日

対談形式で、両大腿義足ユーザーである石川さんに質問しました。

今回は“義足業界”がテーマです。



インタビュアー(以下Q):「義足に携わる人々の構成として、業者(メーカー・義肢屋)と、リハビリ施設関係者に大きく分けられると思います。まず、石川さんの業者の印象を教えてください。」


石川(以下A): 「そうですねぇ…。業者に関して、はじめは“最先端”をイメージしていたんですね。それが全くでした。申し訳ないですけど、イメージとかけ離れていたのが本音です。」


Q: 「20年前と今を比べて、どうですか?」


A: 「大手義足メーカーのコンピュータ制御膝継手を履いた時、大きくは進化していなくて、

こんなもんかぁ…ガッカリだなぁっていうのが正直。技術の進化を体感できませんでした。」


「義肢屋さんに関していうと、有名なところからとても小さなマイナーなところまで、全国各地にあるっていうのを知って。ところが、義肢装具という看板名でも、義足を扱っているところもあれば装具ばかりを扱っているところもあったり…。バラツキがあるなぁと思いました。」


Q: 「それは技術面においてばらつきがあると。」


A: 「そう、義足を作る技術やサービスに関しては均衡していないと断言できます。義足一本作るにしても、その義肢屋の義肢装具士(以下PO)によってクオリティがだいぶ変ります。というのも、20年以上前に作ってもらった義足は全然合わなかったんです。とても履けたものじゃなかった。作ってもらったというより、作られちゃったみたいな感じでした(笑)」


Q: 「なるほど。20年後の今こうして歩けているのは、義足というモノの進化だけではなくて、POの技術が進化したか、もしくはいいPOに巡り合ったか・・・ってところですかね?」


A: 「そうですね。僕の場合は、いいPOに巡り合ったことがとても大きいです。東京という大都市であっても、知識や技術をアップデートできていないPOはたくさんいると思いますね。」


Q: 「それは何故なんでしょうかね。業界全体が同じ水準にいるのが理想ですけれど…」


A: 「例えば、車の整備工場一つとっても、修理がうまいところもあれば下手なところもある。最新の車を扱えるところもあれば、逆に古い車しか扱えないところもあって。義足の分野は“対モノ”ではなく“対ヒト”なので、さらに難易度があがるのではないかと思います。結局ヒューマンファクターなんでしょうね。」


Q: 「今後、業者に、POにどうなってほしいですか?」


A: 「うーん…。義足ユーザーに対して、サービスが均一であって欲しいです。切断者からすると人生かかっていますから。普通の下腿切断でもうまく歩けていない人もいると聞きました。両足切断の僕が歩けているのに、一方でまったく歩けていない人もいるなんて、信じられなくないですか?サービスを提供できないならせめて、出来るところを紹介したり流して欲しいって思います。」


  「あとは本気度が足りないと思いますよ、温度差というか…。POからすれば100人のうちの1人の切断者かもしれないですけど、こっちからすればPOただ一人。もっと真剣になれば、勉強したり誰かに相談したりいくらでもやれるはずです。実際に患者と同じ条件で切断すれば、おのずと本気になると思うんですけどね。」


Q: 「熱い回答、ありがとうございます。」


次回に続く…。

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